フランスの作家「サン・テグデュペリ」が1943年に執筆した『星の王子様』。しかし翌年の1944年 飛行士だった彼は地中海の姿を消しました。ですから、『星の王子様』は彼の最後の作品でもあります。今では世界で約200の言語に訳されて読まれています。読めば読むほど大人が忘れている人生の教訓に気づかされる話。人生で本当に大事なものは何なのか?『星の王子様』が教えてくれます

この記事の内容
- 『星の王子様』:簡単なあらすじ
- 『星の王子様』:登場人物の紹介
- 『星の王子様』解説:王子様はなぜ自分の星を出たのか
- 『星の王子様』解説: 訪れた6つの星 登場人物からの教訓
- 『星の王子様』解説: 王子様とバラの関係 キツネが教えてくれる教訓
- 『星の王子様』解説:なぜ星はきれいなのか 感動のラストから得る教訓
- まとめ:大人の忘れていることを思い出す
私も大好きな作品です
初めて読んで解説を聞いたときは「涙」しました
一緒に感動しませんか?大切な何か得ることができるはず
『星の王子様』の簡単なあらすじ
飛行士である「僕」がサハラ砂漠に不時着するところから物語は始まります。その砂漠で小さい星からやってきたという小さい男の子に出会います。王子さまは、長い間誰からも理解してもらえなかった「僕」の描いた「ゾウを飲み込むヘビの絵」を簡単に言い当ててしまいます。飛行機の修理をしながら「僕」は「王子様」の話を聞きます。自分の住んでた星のことや、6つの星をめぐって今地球に来たことなど。そして「僕」は「王子様」と話をしているうちに絆を深めていきます
『星の王子様』:登場人物の紹介
星の王子様 | サハラ砂漠で出会った男の子 |
僕 | 飛行士(語り手) |
王様(第一の星) | 権力を好む威張り屋 |
大物気取り(第二の星) | 称賛を求める目立ちたがり屋 |
酒浸りの男(第三の星) | 酒を飲む怠惰な男 |
実業家(第四の星) | 星という財産が大好きな男 |
点灯人(第五の星) | 働きづめの男 |
地理学者(第六の星) | 研究しかしていない男 |
一輪のバラ | 王子様の地元の星のバラ |
キツネ | 地球で王子様と出会い、キーワードを示す |
地球のヘビ | 王子様を星に返す役割 |
『星の王子様』解説:王子様はなぜ自分の星を出たのか

王子様は小さな星に住んでいましたその星には「一輪のバラ」が咲いていました
しかしそのバラは気が強いバラで王子様に図々しいことばかりします
そんなバラに嫌気がさして王子様はこの星を出ることを決めたのです
ここから6つの星を渡り歩きます
『星の王子様』解説: 訪れた6つの星 登場人物からの教訓
王子様が訪れた星は6つです
最初の星には「王様」がいました。王様は自分の権力示したいがあまりに意味のない命令ばかりをしてきます

2つ目の星は「大物気取り」で王子様に私に向かって拍手をしろと言います。称賛を求めているのです

3つ目の星には「酒浸りの男」がいました。恥じているのを忘れるために飲んでいるのだといいます。怠惰な男です

4つ目の星には「実業家」がいました。「5億162万2731の星を持っているんだ」だといい数字しか見ていません

5つ目の星には「点灯屋」がいました。「小さな星だから1分ごとに日が昇る」といいずっとライトをつけたり消したりしています。働きづめなのです

最後の星には「地理学者」がいました。ずっと研究をしています。彼は王子様に「地球はおもしろい星だからいってみなさい」と勧めます
こうして王子さまは地球にたどり着きます。地球にやってきて王子様はこんな発言をします


地球には王様が111人、地理学者が7000人、実業家が90万人、酔っ払いが750万人、大物気取りが3億1100万人、つまりざっと20億人の大人が住んでいる。
王子様は6つの星で出会った奇妙だと思った人物が地球には20億人もいるといったのです
教訓
ここまで読んできた読者のかたの多くが、王子様と同様に6つの星の人物をなんだろうこの人たちはと思ったことでしょう。
しかし、気づいてほしいのは私たち自身も王子様からしたら同じように見えているということです。
知らないうちに権利や名声におぼれていませんか?お金や数字にとらわれて働きすぎていませんか?誘惑に負けて怠惰な生活をしていませんか?
子供のころは気にもしなかったことが大人になるとすごく大事なことになっている。確かに大事な部分もありますが、求めすぎるがあまりに視野が狭くなるのが大人です
そんなことを星の王子様は教えてくれています
どうですか「ドキッ」としますよね
『星の王子様』解説: 王子様とバラの関係 キツネが教えてくれる教訓
王子さまは地球上の砂漠に降り立ちます。そこで「ヘビ」に出会います
ヘビは人間を探す王子さまに、「人間たちのいるところでも、さびしいさ」といい、もし自分の星に帰りたかったら力を貸すといい別れます

ヘビを別れた後に王子様は砂漠を歩き続けます
するとバラが5000本咲く庭園にたどり着きます

王子様はこう思います
ぼくはこの世に一輪だけの、財宝のような花を持ってるつもりでいたけど、ほんとうは、ただのありふれていたバラだった。
星の王子さま (新潮文庫) 河野万里子(翻訳)
そんなことを考えていると王子様は「キツネ」に出会います

王子様はキツネと話をします。キツネは自分を王子様になつかせてくれといい、なつくとは「絆を結ぶこと」だといいます。そうして王子様とキツネは中を深めて絆で結ばれます。最後にキツネは「もう一回バラを見に行ってみな」と示唆します
王子様はバラを見に行きました。そこで自分のバラとは全然ちがうことに気が付きました
きみたちは美しい。でも外見だけで、中身はからっぽだね。(一部省略)
あのバラだけ、彼女だけが、きみたちぜんぶよりも大切だ。ぼくが水をやったのは、あのバラだもん。ガラスでおおいをかけてやったのも、あのバラだもん。ついたてで守ってやったのも、毛虫やっつけてやったのも。文句を言ったり自慢したり、ときどきは黙りこんだりするのにまで、耳をかたむけてやったのも。だって彼女はぼくのバラだもん。
星の王子さま (新潮文庫) 河野万里子(翻訳)
最後にキツネは王子様に一言言って別れます

「いちばん大切なことは目にはみえない。きみがバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ。きみはきみにバラに責任がある。」
教訓
このシーンで絵が描かれているたくさんのバラは「異性」を象徴しています。そして、王子様が自分の星においてきたあの一輪のバラは「元恋人」です
ここで伝えたいことそれは、、
世界には探せば、元恋人よりも美しかったり、かっこいい異性がいるかもしれない。でも本当にそこに愛はあるのでしょうか。愛っていうのは運命とかいう言葉で片付けられるものじゃなく、あなたが相手に対して費やした 手間や時間が形作るものだとキツネはいいます
キツネは王子様にこのことを気づかせてあげたかったのです
いま付き合っている人がいる方、外見も大事ですが、それ以上にどれくらいあなたのためにやってくれたのか、どれくらい一緒に過ごしてくれたのか。少し考えるだけであなたが相手に抱く、感謝の気持ちと、大事さがわかってきますね
『星の王子様』解説:なぜ星はきれいなのか 感動のラスト
この後、王子様と僕はのどの渇きを満たすために井戸を探します。
王子様はこう言います「星々が美しいのは見えない花が一凛咲いているからだね。砂漠が美しいのは、、、どこかに井戸をひとつ隠しているからだね」
そして二人は井戸を見つけるのです。すると王子様は「明日で地球に落ちてきて1年が経つんだ」といいます。そうして王子様はヘビの力によって自分の星に帰ろうとします最後に王子様がいいます

君が星を見上げると、そのどれか一つにぼくが住んでいるから、そのどれかひとつでぼくは笑っているから、きみには星という星が、ぜんぶ笑っているみたいになるっていうこと。
まとめ:『星の王子様』のテーマは戦争?
この本が書かれた当時は、第二次世界大戦中でした。サンテグジュペリはフランスの飛行士であったため任務につくこともありました。彼がこの作品で描いた王子様とバラの関係、そしてキツネが教えてくれた絆、すべて戦時中の世界に発信したかった内容なのではないでしょうか?みんなが手を取り合って絆を深める。例え敵国であってもその敵国に一人でも知り合いがいるのならばその国は美しくみえる。そういいたかったのではと私は考察しています
コメント